2020年07月10日

令和2年 京都府議会6月定例会 一般質問(質問要約と答弁)


1 POSTコロナを見据えた地方創生について

(1)新型コロナウイルス収束後の社会は、単純にコロナ前に戻ることはできず、むしろ何を守り、何を変えていくのかを考える過程で、従来からの課題を抜本的に解決できる機会であり、一層、地方の役割を重視し、強化する必要があると考える。新たな時代における地方の役割、また、今後の国と地方のあり方や地方分権についてどのように考えているのか。


(答弁 西脇知事)
小原議員の御質問にお答えいたします。
新たな時代における地方分権等についてでございます。
平成12年4月に施行された地方分権一括法により、国と地方は「対等・協力」の関係へと変わり、その後、地方に対する義務付け・枠付けの見直しや、国から地方への事務・権限の移譲が進むことで、地域の実情を踏まえた対応ができる環境が徐々に整ってまいりました。
さらに、平成23年に国と地方の協議の場が法制化され、国の政策決定に地方が参画する仕組みが設けられたほか、平成26年からは、地方の発意に基づく提案募集方式が導入され、国主導の分権改革から、地方発意の分権改革へと、軸足を移しつつあります。
近年、人口減少・少子高齢化の本格化や生産年齢人口の減少、自然災害の激甚化・頻発化、そして国際情勢のめまぐるしい変化など、我が国を取り巻く課題が多様化・複雑化しております。
また議員御指摘のように、新型コロナウイルスの感染拡大の結果、東京など大都市における過度な人口集中が抱えるリスクが明らかになるとともに、テレワークやオンライン授業など時間や場所を問わない活動が広がりを見せており、東京一極集中の是正や、都市から地方への分散の機運が高まっていると言われております。
こうした社会変化や新たなニーズを踏まえて、地域創生を図っていくため、地方公共団体の機能強化と地方分権をさらに進めていくことが必要となっております。
また、今回の感染症対策におきましては、施設の使用停止等の要請などの権限が都道府県知事に付与されているものの、当初、国との役割分担や責任の所在が必ずしも明確でなく、また事業者支援などを行う財源が不十分で、緊急時であったとはいえ、その実効性に課題を残したところでございます。
こうした経験を踏まえますと、POSTコロナの新たな時代においては、改めて、国と地方の役割分担の一層の明確化、地方一般財源総額の充実・確保、「国と地方の協議の場」への分野別分科会の設置といった国と地方が実質的に協議を行える仕組みの強化などを実現していくことが、これまで以上に求められていることを実感しておりまして、引き続き、全国知事会等も通じて、新たな時代にふさわしい分権型社会の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。       
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。





(2)「海の京都」の事業や取組をきっかけに、平成27年4月に設置された北部地域5市2町による「京都府北部地域連携都市圏形成推進協議会」の取組は、近接した各市町が地域の得意分野を発揮して役割分担を決め、相互連携していく全国に先駆けた取組と言えるが、発足から5年が経過した府北部地域連携都市圏のこれまでの効果と今後の課題や方向性についてどのように考えているのか。  


(答弁)
京都府北部地域連携都市圏についてでございます。
小原議員御指摘のとおり、地方から発生した自主的・自立的な取組を支援することが地方創生や、地方分権につながると考えております。
北部地域連携都市圏につきましては、北部の5市2町が各地域の強みや個性を活かしながら、役割分担と機能強化を図ること等により、北部地域の創生を目指すこととして、平成27年に一つの都市圏形成に向けて取り組むことを宣言され、ビジョンを策定し、施策展開を図ってこられました。              
これまでの具体的な取組といたしまして、京都府や地元経済団体等と海の京都DMOを設立され、広域観光を戦略的に展開されております。
その結果、設立前の平成25年と令和元年の比較では、観光入込客が約872万人から約1,026万人へと約1.2倍となり、とりわけ外国人宿泊者数は約1万6千人から約7万9千人へと約5倍になるなど実績を上げております。
また、平成30年度から図書館の相互利用を開始し、2年間で延べ2万6千人以上の住民が他の市や町の図書館を利用されたほか、消防指令センターの共同運用の実現に向けて合意されるなど、連携の取組が進展しているところでございます。
京都府では、京都縦貫自動車道などの高速道路ネットワークや京都舞鶴港の整備等に加え、平成27年度から5年間で地方創生交付金を総額約8億6千万円確保するなど、連携都市圏の取組成果が出るよう支援してまいりました。
一方で、連携都市圏の現行ビジョンの基本方針に掲げられております「選択と集中」、「連携と分担」というコンセプトにより、観光、産業、教育、医療、交通等の連携施策が進められておりますが、取組が進んだ分野もあるものの、奨学金制度の検討を通じました地域の担い手確保のプロジェクトなど、引き続き重点的に取り組まなければならない分野も残されており、こうしたところをしっかりと進めていくことが課題と考えております。
京都府といたしましては、北部地域が一つの経済・生活圏を形成し、持続可能な地域社会を創生していくことは、府域の均衡ある発展を実現していく上からも、大変重要と考えておりますことから、次期ビジョンの策定及びこれに基づく施策展開を通じまして、相互連携と役割分担をさらに進め、連携都市圏の具体的な成果が上げられるよう、交通基盤の整備や地方創生交付金の確保等、支援してまいります。




(3)新型コロナウイルスの感染拡大の前後で、飲食業をはじめ緊急事態宣言により休業要請を受ける業種と、医療や物流の現場等で人手不足となっている業種とに分かれるなど、産業のあり方の変化が予想される中、産業構造の変化による人手不足対策に関し、次の諸点について、所見を伺いたい。


 @ 5月14日に開催された「京都労働経済活力会議」において、新型コロナウイルス感染症の影響による失職者や一時的休業者の雇用の受け皿として「京都版ニューディール事業」(仮称)に取り組むことが確認された。人材余剰の業界と人材不足の業界がある中、行政主導で、時限的にその過不足をマッチングする取組をどのように進めていくのか。

 A 自治体が休業中の観光人材を農業現場とマッチングするなど従業員シェアの取組が広がっていると聞く。労働者も学生も通常の活動ができない中、自然に触れる体験をすることにより、新たな価値観に気付き、様々な発見をする機会となる可能性がある。こうした取組が、求職者の仕事の獲得、日本の自給自足体制の確立、担い手不足と悩んできた地方の課題解決という三方良しになることを期待するが、POSTコロナの産業構造の変化を見据え、本府として中長期的にどのように人手不足対策に取り組むのか。


(答弁)
 産業構造の変化と人手不足対策についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中でも、雇用を維持するため、あらゆる施策を活用して、中小企業の経営が継続されるよう全力を挙げて支援をしているところであります。
加えて、市場が急激に縮小した伝統産業では、いわば京都版ニューディール事業の一環といたしまして、新作の工芸品の購入支援を行い、伝統産業従事者の仕事づくりを支援しております。           
また、解雇された方々に対しては、雇用しながら、研修と企業実習を実施、スキルの向上を図りながら正規雇用につなげる京都未来塾事業を今議会に提案しているところでございます。
 さらに、短期間の緊急的な対応といたしまして、京都府では、一時的にお仕事がなくなっているツアーコンダクターの方に観光事業者を訪問いただき、支援制度の紹介などをいただく業務を委託しております。民間企業でも飲食や旅客運送、レジャー産業などで働く方々を、在籍のまま、人手不足業界へ派遣し、助け合う動きも一部で見られております。
こうした取組は、経営環境が改善すれば元の職場に戻るメリットがございますことから、労働経済活力会議でも議論され、その後、導入に向けた検討を進めております。検討の中では、出向や兼業・兼職といった身分上の取扱い、送り出し企業と受入企業側の勤務条件の違い、
求められるスキルの違いなど課題も明らかになってまいりました。
今後、経営者団体や労働者団体とも連携し、こうした課題を解決し、人材の過不足を生じている業界間の人材移動を図れるシステムの構築についても検討し、雇用の維持を図ってまいります。
中長期的な人材不足対策についてであります。
少子・高齢化の進展により、労働生産人口の増加が見込めないことから、深刻化しつつある人手不足に対応するため、女性や高齢者など一人ひとりの状況に応じて、誰もが安心して長く働ける多様な働き方の推進、生産性の向上を図るため、AI・IoTなど最先端技術の活用と高度な技術人材の育成などが必要であると考えております。
このため、女性や高齢者をはじめ、世代や立場を問わず人生100年時代に対応したキャリア教育を推進する生涯現役クリエイティブセンターの創設に取り組んでおります。               
また、AI・IoT技術を活用できる人材を育成するため京都の未来を拓く次世代産業人材活躍プロジェクト事業に取り組んでいるところであります。
その上で、今回、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの企業がテレワーク等に取り組んだことにより、議員御指摘のとおり、職住一体の暮らし方や家族で過ごす時間の増加といった魅力の認識につながり、農山村地域でのリモートワークの可能性や有効性が社会に広く実感されることになったと認識いたしております。
こうした動きを加速化させるため、テレワーク推進センターを設置し、企業の取組を支援することとしております。また現在、多様化する移住・定住のあり方について抜本的見直しを進めており、例えば、農山村地域にサテライトオフィスを誘致し、IT技術者が兼業農家として活躍いただくなど、移住・定住施策の検討をはじめているところであります。       
今後も、WITHコロナ・POSTコロナ社会に対応した新しい雇用の在り方を議論するため、オール京都で構成する京都府中小企業人材確保推進機構の機能を拡充し、誰もが希望を持って働ける地域作りを目指して、取組を進めたいと考えております。


2 安心して子どもを産み育てられる環境づくりについて

本府では地域子育て拠点の支援や生後4ヶ月までの乳児がいる家庭を訪問する事業を実施するなど、市町村や民生・児童委員との連携による相談・支援体制の構築を図っているが、子育てで悩み、相談したいタイミングは人それぞれであり、相談窓口体制が整っていてもそこに行き着けないことも想定される。例えば、検診時に子どもだけでなく、何か困っていることはないかと母親の状況を確認しフォローできる取組や、必要な支援に繋げるサポートが必要と考えるが、本府が取り組む子育て中の母親への支援策とその課題、今後の展望について、所見を伺いたい。



(答弁)
 安心して子どもを産み育てられる環境づくりについてでございます。
 少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化により、子育て家庭が気軽に相談できる人が周囲におられないこと、また、出産後に初めて子どもを抱く方が7割以上もいることなど、育児に対する不安や悩みを抱える親御さんが増えてきております。
このため、子育て家庭に寄り添い、母親の不安や悩みを受けとめ、きめ細かく支援をするとともに、先輩ママとの交流や親子の集いへの参加を促すなど、地域全体で子育て家庭を見守り支えることが重要であります。
京都府ではこれまでから、乳児家庭全戸訪問や、NPO等による地域子育て支援拠点事業での親子交流や相談支援など、市町村と連携して、子育てに不安や悩みを持つ親御さんを支援する取組を進めてきたところです。
また、平成26年度から、京都府独自の取組として、産前・産後ケア専門員や訪問支援員を養成し、出産前後の妊産婦のニーズや心身の不調、育児不安などに応じたケアプランを作成するとともに、子育て家庭を訪問し、育児支援や家事支援を行っているところです。
さらに令和元年度から、地域の子育て経験者や高齢者の皆さんが乳児家庭を訪問し、見守り支援を行う「赤ちゃん応援隊」を創設するなど、育児不安の軽減に努めているところです。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、従来のような子育て中の親子の集いや対面によるサービス提供が難しくなるなど、今後は「新しい生活様式」の中での子育て支援が求められてきます。
京都府といたしましては、感染拡大防止策を講じた子育て支援を実施するための必要な衛生用品の備蓄や感染予防に関する研修などに必要な予算を今議会に提案しているところです。
さらに、子育て中の方が保健師等に気軽にラインで相談できる窓口、またオンラインによる保健指導など、サービスの提供方法に工夫を重ね、市町村や地域関係団体等とも連携し、地域全体で子育て家庭に寄り添ったきめ細やかな支援を続けてまいります。





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令和2年 京都府議会6月定例会 一般質問(全文)

(1) POSTコロナを見据えた地方創生について
@ 東京一極集中からの脱却と地方分権の推進

「明治維新以来、我が国は、約150年もの間、中央集権体制のもとで経済成長を遂げてきました。しかし、現在は、東京一極集中が進み、地方は衰退の一途をたどっています。地方は、少子高齢化、人口減少に悩み、若者たちが、働く場がなく、ふるさとを離れ、都会へでていかざるを得ない状況です。」これは、2010年に関連法についての私の初質問の冒頭部分になります。10年経って、地方の置かれている現状と言えば、2014年に発表された「日本創成会議」のレポートの中で、2040年には、全国の自治体の半数が消滅の危機に晒されるというように、地方は、人口減少、少子高齢化、財政赤字という制約要因を抱え、益々厳しい環境にあります。
 1990年代初頭から地方分権改革が唱えられるようになり、国と地方の役割分担の見直しが行われ、改革が徐々に推進されてきましたが、改革の歩みは遅く、最近は地方分権の議論も下火になっているように思われます。
むしろ、「東京一極集中」はさらに加速し、2019年の東京圏への転入者が転出者を上回る「転入超過」が、14万8783人で、前年より8915人拡大し、2014年以降、6年連続の転入超過になっています。一方で、京都府を含む大阪圏、名古屋圏共に「転出超過」になっており、東京への一極集中が続く現状が浮き彫りになっています。そのような中、京都府は、文化庁の京都移転をはじめ、自らも、港湾局を新設し本庁機能を舞鶴市内の現場に移転する等、分権時代にふさわしい府庁の組織強化と地域力向上の取組を進めてきました。このように、中央における分権改革を待たず、日々地方行政にあたる自治体が主体的に住民満足度を高める独自の政策形成を行い実行していくことが、国との新たな関係を構築し、分権の推進力になるのではないかと思います。
今回のコロナ禍によって、東京一極集中の弊害は、可視化されやすくなったと言えます。感染症に関して「三密(密閉・密集・密接)」を避ける段においても、都会は土地が高く、住居もオフィスも密集していて「密」にならざるを得ず、過密の弊害と集中しすぎた都会で暮らすリスクが高まっています。一方で、過疎で悩んできた地方は、コロナ禍においては、人口が少ないことが感染防止になっているという現状があり、ようやく地方に光が当てられるのだと感じています。Withコロナ社会は、好まざるともウイルスとの共生をする生活であり、働き方はリモートワーク、学校でのオンライン授業等、行政においてもオンライン化、デジタル化が急速に進んでいくことが予想され、都会から地方への分散、国際競争力が保てる程度の東京一極集中の是正が進むことが望まれます。そして、コロナの経験を経て、まずは、目の前の生活への対処、応急処置が第一でありますが、同時に、コロナ収束後の「POSTコロナ」に備えて今から準備しておく必要があります。
コロナ禍によって「新しい生活様式」が求められる中、西脇知事は、コロナ禍による社会変革への対応のため、20年後を展望して、昨年に制定した府政運営の長期ビジョンを示した「総合計画(京都夢実現プラン)」の見直しの指示を出されました。コロナ収束後の社会は、単純にコロナ前に戻れず、むしろ何を守り、何を変えていくのか考え、これまで抱えてきた課題を抜本的に変えていく機会であり、一層、地方の役割を重視し、強化することが必要になってくると思われます。新型インフルエンザ等対策特別措置法では、都道府県知事の権限、役割が大きく、西脇知事は、全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部の副本部長として、妊婦のP C R検査の公費負担や、困窮する学生への支援等について地方の現場の声を提言され、国への要望も積極的に行われています。非常事態において、地方の現場でそれぞれの実情に合わせ府民の生命を守るために、スピード感を持って対処していかなければならない中で、国の方針、権限、財源が不明確で地方が動きやすい体制になっていなかったのではないかと思われます。
そこで、新たな時代における地方の役割、また今後の国と地方のあり方や、地方分権についての西脇知事のご見解をおうかがいいたします。

A 京都府北部地域連携都市圏について

次に、京都府北部地域連携都市圏についておうかがいいたします。
 「海の京都」の事業の、取り組みをきっかけとして、平成27年4月に設置された北部地域5市2町による「京都府北部地域連携都市圏形成推進協議会」の取り組みは、近接した市町でそれぞれの地域の得意分野を発揮して役割分担を決め、相互連携していく全国に先駆けた先進事例と言えます。この間の取り組みとして、例えば、舞鶴市民が宮津や福知山の図書館を利用できるという市域を超えた施設の共同利用等のように住民の生活の利便性の向上が図られています。また、5月19日には、新型コロナウイルス感染防止のため京都北部の首長がテレビ会議で意見交換を行い、平成29年度からの「連携都市ビジョン」の策定から4年目を迎え、連携のさらなる深化への決意が確認されたとのことです。
私がこの水平型の新たな広域連携に関心を持ち、本会議でも3回目の質問をするのは、近隣の自治体間の行き過ぎた競争や人口規模の大小による上下関係でもなく、「我がまち」さえ良ければいいという発想からの転換で、それぞれの市町の魅力や特徴を活かし、連携・協力のもとで近隣市町とともに人口減少と少子高齢化社会を生き抜く地方版の「共生」モデルだと思うからです。まさに西脇知事がコロナ禍の対応において、府民の皆様に送られた「京都は元々地域の絆が非常に強く、日本の心を大切にしてきた地域」であること、「思いやりと支え合いの心を持って立ち向かいたい」というメッセージの通りだと思います。

京都北部地域は、単独では人口が10万人に届かず、規模等が同程度の市町が複数存在するという地域特性からも、国が推進している市町村間の広域連携として、人口規模の大きい中心地が周辺地域と連携する「連携中枢都市圏」や「定住自立圏」の形成が困難な地域に当てはまります。そのため、5市2町と京都府が連携しながら、国へ制度の要件緩和などの広域連携の制度の見直しを求めた結果、地方制度調査会の中でも、この様々な市町村間の広域連携についても「財政措置も含め、対等な立場で連携できる仕組みが必要でないか」と議論の爼上に上がるようになりました。
 
 6月4日に、地方制度調査会による市町村の広域連携強化に関する答申が発表されましたが、国主導の圏域構想は、全国町村会が「圏域構想は事実上の市町村合併であり、小規模自治体の衰退を招く」として警戒し、答申案は、圏域構想などの明記を見送ることになりました。 ここから見て取れるように、国主導で地方の当事者不在のコンパクト化、ネットワーク化による効率化やコスト削減案ではなく、地方から発生した自主的、自立的な取り組みを支援することが本当の意味での地方創生であり、地方分権であると思います。平成28年9月の舞鶴で開催された北部議会の代表質問の答弁にて「まさに北部、京都府が一体となって圏域のビジョンを策定し、そして財源を確保し、その中で環日本海時代ということがこういうことだったんだと言えるような未来をつくるために全力を挙げていきたいと考えております。」とありましたように、京都府北部連携都市圏が機能を発揮し、地方における持続可能な社会モデルとして、共に生きる仕組みが、全国の同じように過疎や地域の疲弊に悩む自治体の希望となり得ることを願う次第です。

 そこで、全国的にも新たな取り組みとして、発足から5年が経過した京都府北部地域連携都市圏について、これまでの効果と今後の課題・方向性について本府のご見解をおうかがいいたします。

 
B 産業構造の変化による人手不足対策について
まず、コロナ前後で産業のあり方が変わることが予想されます。緊急事態宣言を受けて飲食業を始め休業要請を受ける業種と配達や医療等の人手が足りなくなっている業種に分化され、さらに国際・国内問わず、移動の自由が制限されるような現状の中で、今一度、自給自足体制、自国で食料、エネルギーをまかなえるように考え直す機会ではないかという視点から質問いたします。
私が暮らす京都北部のような地方都市は、まさに第一次産業、農・林・水産業を担う地域であり、今後、益々この分野で生業として食べていける、担い手が育っていくことが日本にとっての生命線になるように思われます。
5月14日に、行政・労働者団体・使用者団体の代表が話し合う、「京都労働経済活力会議」において、新型コロナ感染症によって職を失った方や、一時的に休業している方への雇用の受け皿としての「京都版ニューディール事業」(仮称)に取り組むことが確認されました。そこでは、新型コロナウイルスの影響によって、人材が余剰している業界と不足している業界があるとして、行政主導で、時限的にその過不足をマッチングさせるスキームを社会全体の仕組みとして実施できないか、との意見が出されました。まず、目の前の、今現在、職を失われている方、休業で自宅待機をされている方、今後もいつ働けなくなるか不安に思われている方に対して、労働者の同意を前提として、行政として今、取り組もうとされているコロナ禍における求職者と人手不足業種のマッチングについてのお取り組みやご見解についておうかがいいたします。
 
 次に、POSTコロナにおける目指すべき産業構造のあり方についてお伺いいたします。今回、北海道等では、休業の観光人材を農業現場へと自治体が人材マッチングを後押しして「従業員シェア」をする取り組みが広がっているそうです。労働者も学生も、通常の活動ができなくなっている中で、おそらくこれまで念頭になかった土や海、森等の自然に触れる体験をすることによって、新たな価値観に気付き、様々な発見をする機会となるかも知れません。これらの取り組みが、求職者の仕事の獲得、日本の自給自足体制の確立、これまで担い手不足と悩んできた地方の課題解決という「三方良し」になればと期待するものです。勿論、課題もあるとは思いますが、コロナ禍を経て、これからの未来が持続可能なあるべき社会に近づくためには、大胆かつ積極的な政策誘導も必要ではないかと考えます。京都はこれまでも、いくつも全国初の政策に着手してきました。先述の「京都式ニューディール事業」をさらに発展させて、今後、来るべき産業、誘導すべき産業を京都府として、集中的に投資することを先駆けて行い、感染症対策に必要なマスクすら中国で作られ、手に入らなかったという事例からも、サプライチェーンが機能しない今、国内回帰産業を規定し、誘致する等の取り組みが必要かと思われます。
例えば、第一次産業に関しては、現在、海の民学舎、農業、林業の各大学校がありますが、入学・入舎後、府内での一定期間の就職を前提として修学資金制度によって実質、授業料等の免除等を既に実施されています。しかし、第一次産業に人が集まらないのは、将来的な安定への危惧であろうかと思われます。これからの時代、コロナ後は、価値観の変化も現れてくると思われ、第一次産業は、食料の安全保障に繋がるため、利用したい方とのマッチングが困難であった空き家、耕作放棄地の活用を行政主導で大胆に行い、職住一体の暮らし方、家族で過ごす時間が増える原点回帰の生活を提示していくこともあり得るのではないかと思います。コロナ禍により地方は、過密の都心とは違い一定の距離を保てば日常生活が送れ、外での仕事は「密」ではなく、自給率を上げるための土地と技術、ノウハウがあり、益々地方の重要性が認識されるのではないかと思います。

そこで、POSTコロナの産業構造の変化を見据え、本府として中長期的にどのように人手不足対策を行うかについてのご見解をおうかがいいたします。

(2) 安心して子どもを産み育てられる環境づくりについて
 最後に、「子育て環境日本一」を掲げる京都府における子育て環境の現状認識と対策についておうかがいいたします。
  本府では、令和元年9月に、社会全体で子育てを見守り、支える、あたたかい子育て社会を目指すための指針として「京都府子育て環境日本一推進戦略」を策定し、様々な子育て支援策を講じられているところです。
 先日、厚生労働省が発表した令和元年の全国の合計特殊出生率は、1.36と前年を0.06ポイント下回り、京都府は、1.25で前年を0.04ポイント下回り、全国順位は、44番目となっています。少子化の要因は、複雑であり、地域の状況等により異なりますが、京都府の特徴として、未婚化は、特に25歳〜39歳の女性の未婚率が43.0%と全国平均の38.5%との差が広くなっており、さらに晩産化、晩婚化を特徴としてあげています。様々なアンケート結果等からは、依然として女性の家事育児の負担が大きく、共働き世帯が増えていることもあり、長時間労働の是正や働き方の見直しにより結婚・子育てがしやすい社会が求められています。
 地元舞鶴で、子育て中の母親を交えて「子育て世帯が今本当に助けてほしいこと〜あったらいいな、こんな家・まち・しくみ」と題するワークショップに参加した時に、このような問いがありました。「なぜ、こんなにお風呂が求められているのか」――このテーマでグループディスカッションをすると、参加した若いお母さんから「近くに両親もいなくて夫が長期出張のため一人で子育てをしている。例えば、段取りを考えながら、子どもをお風呂にいれようと思っても、思うようにいかない。いつもいっぱいいっぱいで、自分の頭のシャンプーをしたのかどうかも分からない」という話を聞かせていただきました。そこで、地元の子育て支援団体であるN P O法人まちづくりサポートクラブでは、おでかけひまわり@若浦の里をはじめられ、お母さんが子どもを見てもらいながら、ゆっくりと入浴できたり、うとうとと昼寝ができたり心と体を休められるサポートをされています。現場を熟知されている子育て支援団体の方からは、「とにかくお母さんの支援をしてあげてください」という声をいただきます。本府においては、地域子育て支援拠点や、生後4ヶ月までの乳児の家庭を訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」等、市町村や民生・児童委員との連携を強化して相談・支援体制を図られていますが、子育てで悩み、相談したいタイミングがいつくるかは人それぞれで予想がつかず、相談窓口体制が整っていてもそこに行き着けないこともあります。例えば、検診時に子どもだけでなく、「何か困っていることはないか」と母親の状況を確認しフォローできる取り組みや必要な支援に繋げるサポートも必要ではないかと思います。誰かから「いつも頑張っているね」と声をかけてもらえるだけでも救われた、背中をさすってもらうだけで涙が止まらなかった、という声も聞きました。
一方で、もちろん、子育ては大変だけれども、子どもが学ばせてくれる、共に成長できる楽しみがあるという声もよく聞きます。子育てしやすい環境を家庭、地域、行政が連携してつくるとともに、子育てに「寛容」な社会づくりが求められます。
 本府が取り組む子育て中の母親への支援策とその課題と展望についておうかがいいたします。

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