2021年09月28日

令和3年9月定例会一般質問要旨・答弁 全文(@産前・産後ケアの重要性について、A森林再生と林業振興について)

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(1)産前・産後ケアの重要性について

 コロナ禍で、里帰り出産や、親からのサポートを受けられず、母親の育児不安や負担感が増してきています。母親の孤立感が高まり、「産後うつ」のリスクが2倍に増え、長期化が懸念されているという筑波大学の調査結果も出ています。 
妊娠前から出産、産後における、子育てのスタートの時期の支援を充実させることで、「母子の愛着形成」に繋げることが、産後うつや児童虐待という深刻な状況を未然に防ぐために必要不可欠であり、産前・産後ケアは、母親の心身の回復によって、子どもの健全な成長・発達が促されるという観点からも今後益々重要になると考えています。

 本年度も妊産婦包括支援事業として、具体的には、産前・産後ケア事業の利用促進支援として、1回分の利用者負担額の半額の支援や、宿泊型・日帰り型の産後ケア事業の医療機関に代わる受け皿として、ホテル・旅館等を活用した提供の「場」の確保に取り組んでいただいています。

 産後ケアの認知度はまだまだ不十分で、出産後の入院期間の短縮で、育児技術の習得や母体の回復が不十分なまま自宅に戻っている母子が多くなっている等、産後の母子をとりまく環境は大きく変わってきており、育児環境は思ったより厳しいため、母親・家族への社会的なサポートが必要であるという理解を深める必要があります。

 そのような中、本府では、平成28年9月に「きょうと子育てピアサポートセンター」を開設し、妊娠期から子育て期にわたるまでの支援のワンストップ拠点として市町村の「子育て世代包括支援センター」の立ち上げや、運営支援等を行っています。
また、子育てピアサポーターを養成し、令和2年度末までで、その数は「産前・産後ケア専門員」258人、「産前・産後訪問支援員」341人となっていますが、実際に地域で活躍していただくために市町村への周知や、市町村で実施している「こんにちは赤ちゃん事業」に専門家と同行する等の実践によって経験を積む等のさらなる工夫が必要かと思います。
 
 また、専門家である助産師によるサポートは、健康な育児を育むための基盤づくり、母親の心と身体の充電のためにも必要であり助産師のさらなる活用や、民間資格を持った方の活用等、幅広く人材確保に取り組んでいただくよう要望いたします。
産前産後ケアの実施主体は市町村であるため京都府内26市町村の支援状況は、それぞれ異なりますが、どの地域で暮らしていても支援が必要な母子に、必要なケアが届くよう、京都府としての役割は重要であり、体制強化、事業内容や産前産後ケア人材の充実等において、市町村との連携を深め、情報共有を行う場を持つ等、さらなる伴走支援が必要だと考えます。

そこでお伺いいたしますが、京都府内における産前産後ケアの取り組みの現状と課題についてどのようにお考えでしょうか。また、産前産後の母子を支援する人材の育成と体制強化についての御所見をおうかがいいたします。

 次に、児童虐待の未然防止についてですが、妊産婦や乳幼児等への検診・保健指導を行う母子保健事業は、児童虐待の予防や早期発見に資するとして平成30年7月に「母子保健施策を通じた児童虐待防止対策の推進」について、母子保健法において明確化されました。

 児童虐待の実態は、令和3年の社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会報告によると、平成31年からの1年間に、発生、表面化した子ども虐待による死亡事例72例、78人を対象とした集計結果の分析では、心中以外で死亡した子どもの年齢は、ゼロ歳児が5割弱になっており、主たる加害者である実母の妊娠期・周産期における問題として「予期しない妊娠/計画していない妊娠」「妊婦健康診査未受診」等が挙げられ、また「育児不安」や「うつ状態」等の心理的・精神的問題があったとの回答があります。
  
 検証結果からも、予期しない妊娠・子育てに関する相談がしやすいように、SNS等を通じた相談体制の構築や、若年者への情報発信、妊婦健康診査の未受診又は回数が極端に少ない、妊娠の届出がなく母子健康手帳が未発行である等のリスク要因への対応等が求められます。

 国や自治体によって様々な子育て支援の取り組みが行われているにもかかわらず、児童虐待につながるケースが増加傾向にあり、本府では、「子育て環境の充実に関する特別委員会 政策提案・提言」を踏まえ、児童虐待防止のための条例を検討されております。実態把握、要因分析、解決のための対策を講じ、社会全体で取り組む必要があります。

 児童虐待という悲しい結果に至ることを未然に防ぐために、母子保健事業の活用と推進や「子育て世代包括支援センター」と「家庭支援センター」とのさらなる連携強化や市町村との連携・支援策の強化が求められます。

そこで、児童虐待を防ぐためには、出産前からの支援が大切であり、母子保健と福祉施策との一層の連携強化が重要と考えますが、児童虐待の未然防止のための課題と取り組みや今後の展望についてお伺いたします。


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(知事答弁)


 出産直後、特に産後2週目から6週目までは産後うつのリスクが高いことなどから、産前・産後のきめ細やかな支援が重要となります。

 京都府では、平成28年に「きょうと子育てピアサポートセンター」を設置し、市町村の子育て世代包括支援センターの立ち上げ等を支援するなど産前・産後ケアを実施する基盤づくりを進めてきたところでございます。


 その結果、令和3年4月現在で、産後の休養機会の提供や育児サポートを行う「産後ケア事業」を府内の24の市町村が行うなど、取組が拡がってきておりますが、サービスを提供できる医療機関が限られるなど、市町村ごとの状況に差があるため、京都府として産後ケアの土台となる環境整備と人材確保を図る必要があると考えております。

 このため、京都府では今年度から、ホテル・旅館を活用した産後ケア事業の受け皿整備を進めるとともに、事業実施に必要となる助産師等の専門職の派遣体制やサービス提供内容を定めた運営マニュアルを整備するなど、妊産婦を支援する体制を強化してまいりたいと考えております。
また、産前・産後の支援を担う人材の育成につきましては、京都府独自に、「産前・産後ケア専門員」や「訪問支援員」のほか、コロナ禍においても育児に関する悩み相談等に対応できるよう、子育て支援団体との連携によりまして、オンライン子育てファシリテーターを養成するなど幅広い人材の育成に取り組んでおり、市町村でのさらなる活用を促してまいりたいと考えております。

 さらに、きょうと子育てピアサポートセンターにおいて、市町村と連携会議を開催し、妊産婦のニーズや状況に応じたケアプランの作成など、情報共有や好事例の横展開等を図り、市町村の対応力強化を支援しております。
今後とも、市町村とともに地域全体で産前・産後の母子に寄り添ったきめ細やかな支援に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、児童虐待の未然防止についてでございますが、令和2年度における京都府の児童相談所への通告は、約2,500件で、前年度と比較して、ほぼ横ばいとなっているものの、依然高水準であり、またコロナ禍において児童虐待の潜在化が懸念されるなど、厳しい状況が続いております。

 また、年齢別の通告数を見ると、0歳から2歳までの乳幼児が全体の約2割を占めております。さらに、議員御指摘のとおり、国の調査によれば、虐待死の5割弱をゼロ歳児が占めることから、妊娠から出産までの切れ目のない妊産婦への支援に加え、出産後は家庭の養育力向上など、児童虐待の未然防止対策に取り組んできたところでございます。

 具体的な取組といたしましては、若年者の妊娠、多胎出産、産後うつなどのハイリスク妊産婦に対する保健師や助産師による養育支援や、情緒不安定など育児不安のある妊産婦情報の医療機関と市町村との共有など、早期からの見守り支援体制づくりに市町村と一体となって取り組んできたところでございます。

 さらに、今までの取組では、虐待通告の減少には至っていないことから、児童虐待防止の取組の強化・徹底を図るため、有識者、医師、学校、警察、市町村等からなる検討会を立ち上げ、現在、議論いただいているところでございます。

 検討会では、生後間もない虐待死の防止につきましては、

・出産を控える夫婦が、出産前から親になることへの具体的なイメージを持ち、準備をすること
・コロナ禍では、ハイリスク妊産婦等に対して、今まで以上に、行政がきめ細かく支援にあたること
など、母子保健と福祉施策との連携に関する意見や、
・民間支援団体と連携した見守り活動の強化
など、地域における未然防止対策の充実に関する意見をいただいているところでございます。

 今後、検討会でさらに議論を深め、新生児を含め、全ての子どもが虐待から守られ、健やかに育まれる社会を実現できるよう、児童虐待防止の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。




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(2)森林再生と林業振興について

 次に森林再生と林業振興についておうかがいいたします。

 「日本は木の国、森の国」です。

 日本は国土面積の67%が森林に覆われ、北海道の亜寒帯から沖縄の亜熱帯までの多様な気候を有し、木の種類(樹種)は、少なく見積もっても1300種はあると言われており、豊かな森は多様性の宝庫であり、多くの生物の生息の場となり、水源を涵養し、川に水が流れ、海に栄養分を届けて森里海が連なって恵みを与えてくれています。

 しかしながら、日本の森林は、主に戦後の拡大造林期に植林した1000万ヘクタールの人工林が育ち、収穫期を迎えていても「伐れば赤字」の状態から、適切な「手入れ」がなされずに、荒廃が進んでいます。
 
 現在、新型コロナの影響を受けて輸入木材価格が高騰する「ウッドショック」下において、用材の7割近くを輸入に頼ってきた我が国において、建築資材の供給が間に合わず、住宅価格の値上げ等が懸念されています。

 この機に、国産材を増産し、林業の活性化に繋げたいところですが、伐採から流通まで数ヶ月の期間を要し、この状況がいつまで続くか見通しが立たないこと、また林業事業者の高齢化による人手不足、長年の木材価格の低迷等により森林所有者の経営意欲の低下等の要因によって、急な増産に対応できないのが日本の林業の現状です。

 また、放置された森林は、台風や長雨により頻繁に倒木が発生し、土砂災害による被害、鉄砲水による内水被害等を引き起こす可能性があります。山の中に入ると、府内の国立・国定公園等の自然公園においても土砂の流出等で登山道や河床が塞がれ、林道が崩壊する等の荒廃している箇所が多く見られます。

 平成30年の台風第21号での大量の風倒木被害は、スギ、ヒノキの人工林が、広範囲にわたってなぎ倒され、強風に煽られて一定方向に根返り、幹折れも多数見られ、貴船や鞍馬という観光地においても、その被害のあまりの大きさに衝撃を受けました。

そこで、京都市は、有識者会議を立ち上げ「針葉樹人工林の風倒木被害地における森林再生の指針」をまとめられましたが、私は、この指針が「森林整備」ではなく、「森林再生」という言葉に込めた地域の方々の森への想いや、理念、森林の再生方針に大変、感銘を受けました。

 「森林再生」の進め方として、現地確認、被害状況を検証し、防災的機能に京都らしく景観的、文化的機能を付与した「目標とする森林像」を設定し、植栽計画を作成する。例えば、「多様な樹種が混在する天然林では、面的な被害が発生していない」等の結果から、再生方針として「適地適木により,広葉樹を中心とした多様な樹種が植栽された森林へと誘導する」「道路境界等から20m程度の範囲は中低木管理をする」等です。
 私の京都府議会での初質問において、熊野川町森林組合にて2週間の林業実習を行った時に学んだ、「林業経営には100年の森づくりが必要で、理想の森は間伐を行い、光が差し込む環境であり、様々な種類、樹齢の木でつくる複層林」であること、を取り上げましたが、京都市が目標とする「森林像」と重なり、手入れをすることによって樹々の間から光が差込み、風が通る空間に下草や低層木が繁茂し土砂災害にも強くなり、モミジやサクラ等の広葉樹を植えると、その落ち葉が腐食し、豊かな土壌をつくり、美しい森林をつくり出します。
 
 京都府の森林は、全面積の74%を占め、そのうち国有林を除く民有林が98%となっており、全国平均の7割と比較すると民有林の割合がかなり高くなっています。
また、スギ、ヒノキ等の人工林は全体の38%を占め、その約7割が木材として利用可能な伐採可能な時期を迎えています。

 地区別に見ると、所有者等が管理できていない人工林は、南丹で4割、中丹で6割、そして丹後地域が7割を超えて放置され、また所有者不明の土地が増加して山の境界を特定できずに、人工林が荒廃し、各地で土砂崩れ等が起きています。
 そこで、平成31年4月に「森林経営管理法」が施行され、放置されたままの所有者不明森林や適切な経営管理が行われていない人工林についても、市町村が主体となって森林所有者と林業事業者をつなぎ整備を進める森林経営管理制度がスタートし、その財源として2024年度から国民一人あたり年額千円の森林環境税が徴収されることになっています。

 京都府内の森林資源の現状として、民有林面積32万3,000ヘクタールのうち、間伐等の手入れがなされず、経営されていない人工林は6万4,000ヘクタールあり、その中でも4万ヘクタールある急傾斜地や奥地等の条件不利地については、山頂付近まで植えられているスギ、ヒノキの伐採、搬出は市場ベースで考えると、ほぼ不可能に近いと考えられますが、伐採跡地を天然林に戻すのか、広葉樹等を交えた複層林等へ誘導するのかといった森林のゾーニングに関する権限や、森林施業にかかわる整備、効率化の方針等、地域内の民有林全体の管理・経営に、市町村が大きな責任を持つことになります。
 
 しかし、小規模な市町村では、林業技術専門職員がほぼ配置されておらず、ノウハウがない上に、所有者不明の土地が多く作業がほとんど進まず、民有人工林の集約や森林整備の完了には20〜30年かかるだろうというコメントも出ています。市町村の伴走支援をするために、昨年8月に設立された一般財団法人 京都森林経営管理サポートセンターを中心に、京都府の役割は益々、大きくなっていきます。

 また、自然環境を守り、鳥獣被害・山地災害を防ぐ等の市場経済に乗りにくい「森林再生」の分野では、京都府と府民の協働や市町村、森林ボランティア等の関連団体と共に里地里山を整備し、奥山をツキノワグマ等の野生動物の住処とし天然林を守る等の「動植物が多様に生息し、共存する理想の森づくり」や自然的条件が良い場所での人工林の育成、里山の活用等、「100年の森づくり」のように、荒廃した森林の様相(林相)を変えるための長期的なグランドデザインを描き、さらに府民環境部や関係団体との連携の下で、京都モデルとして次世代につなぐ「森林再生」の取り組みが期待されるところです。


@ まずは、「森林の再生」についてですが、現状と課題、そして京都府の「森林の目指す姿」や「長期的なグランドデザイン」に関して、どのような取り組みをしていただけるのかおうかがいいたします。また、森林管理法施行に伴う、市町村支援における本府の役割と取り組みについておうかがいします。

A 次に、「林業振興」について、今後益々、林業を担い、支える多様な人材育成や生産力の強化と木材利用の拡大等の施策が求められますが、これまでの「京都府成長型林業構想」の取り組みの課題と評価について、さらに京都府の林業の将来と基本構想、今後の展望についておうかがいたします。


 また、昨年4月から地元 舞鶴市に府内最大の木質バイオマス発電所が稼働して
います。出力6800キロワット、一般家庭1万5000世帯分の電力を生み出すために、燃料となる木質チップの大半を工場から出る合板端材で賄い、残りの約2割を地元の間伐材等の未利用材を活用することになっていますが、京都府森林組合連合会との協定による調達計画量 は1万3000トンのところ、令和2年度の調達実績は府内産で約半分となっており、残りは府外からの調達になっているとのことです。
 
 本府では、府内産木材生産増大支援事業として、木質バイオマスの生産に要する経費支援や生産・輸送の低コスト化にかかる実証事業として各種支援を行っているところですが、今年から温室効果ガス削減のため事業者向け再エネ補助金に木質チップやペレットを燃料とする木質バイオマスボイラーを追加することを決めたことに合わせて今後、需要が高まっていくことが予想される分、経済性の問題や供給が不安定であるため利用が進まない府内の未利用材の活用のための工夫が一層、求められます。
 林地残材として山に放置されている資源の有効活用により、林業経営者の収益向上につながり、従来なら費用をかけて廃棄物処理をしていた剪定木等の木の有効利用が進めば循環型社会の一助となります。

 国レベルでも、バイオマス燃料に占める国産材利用率は約26%にとどまっているため、地域の林業・森林整備の活性化の観点からも、木質バイオマス発電専用の森林をゾーニングして「エネルギーの森」をつくる構想が検討されています。
 「エネルギーの森」は、燃料向けに用途を限定し、比較的短い期間で出荷できる広葉樹や早生樹を活用し、建材に必要な枝打ちや間伐等の労力を省いてコストを低減するとともに、再エネの普及と林業経営の両立に繋げる試みです。
 
 先述したとおり、「森林の再生」の観点からも、地域の森林をどのようにゾーニングし、活用、保全していくかにおいて、今後は急傾斜地ではなく搬出しやすい里地里山を有効活用し、人の手を入れて燃料や食料を賢く利用するという日本の伝統的な循環型社会文化の要素を取り入れることは、人間と野生動物との間にバッファーゾーンを設けて鳥獣被害対策にもつながります。

 まずは、現段階の木質バイオマス燃料の調達の取り組み、支援強化を願うものですが、未利用系の木質バイオマスの活用と安定供給について現状における課題と今後の取り組みについてお伺いいたします。


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(農林水産部長 答弁)


 京都府の森林は約34万haあり、約6割が天然林として、水源かん養などの公益的機能を果たしており、残る約4割の人工林は、長期的な林業の衰退から荒廃が進み、一部では倒木や土砂流出の危険度が高まっている状態にあります。

 こうした状況を踏まえ、令和元年に「京都府森林利用保全指針」を定め、人工林は立地特性に応じて、産業的な機能を重視した「木材生産型」と公益的機能を重視した「環境保全型」に区分し、天然林を含め3つのゾーニングにより森林の再生を図ることとしております。    

 まず、天然林は、公益的機能を維持するための最小限の管理とし、特に里山林では、枯木を伐採するなど環境保全や、モデルフォレスト運動等により府民が親しめる森林づくりを推進することとしております。

 人工林については、計画的な伐採と植林による林業経営が行われている事業地もありますが、全体の約半分に当たる6万4千haは、手入れされず放置された状態であるため「木材生産型」と「環境保全型」に区分し、状況に応じて管理する必要があります。 


 そこで、市町村が行う森林経営管理制度の取組により、集積計画を作成し、経営に適した「木材生産型」は、集約化を図り、林業事業体が管理を行い、奥地や急傾斜地など経営に適さない「環境保全型」は、市町村が災害防止のため、間伐や広葉樹の植栽を進めてまいります。

 そのため、京都府では、森林資源や路網配置など、本制度の推進に必要な情報提供や助言を行うとともに、市町村には林業専門職員が不足しているため、昨年8月に設立した京都森林経営管理サポートセンターが、調査から計画策定、事業化までを伴走支援しているところであります。

 現在、人工林がある府内21の市町村で取組が進められ、そのうち7つの市町村では、森林整備に着手する予定となっており、引き続き、関係者と連携し、森林の再生による多面的機能の持続的な発揮につなげてまいります。

 次に、林業振興についてでございます。
京都府では、樹齢46年生以上の利用期に達した人工林が全体の約7割を占めており、その有効活用のため、平成27年度に「成長型林業構想」を策定し、川上における生産と供給体制の構築、川下における木材の利用拡大に取り組んでまいりました。

 川上側では、路網整備や高性能林業機械の導入支援、ストックヤードの整備による生産力・供給力を強化したことで、林業従事者1人あたりの木材生産量の伸び率は、全国平均の約2倍となり、平成元年を規準とした生産量の減少率も全国水準まで回復してきております。

 また、川下側では、茶業研究所などの府有施設の木造化をはじめ、保育園などへの木製家具等の導入を支援した結果、府内産木材の利用量は、平成30年までの10年間で約6割増加し、需要量に対する府内産木材のシェアについても、全国平均に比べ高い増加率になっております。

 加えて、林業大学校においては、近年の林業機械の高度化やICT活用などの現場ニーズを受け、ドローンや高性能林業機械の操作実習など、多彩なカリキュラムの展開により、これまでに64名の卒業生が府内林業の担い手として活躍しております。

 一方で、木材生産量500m3未満の小規模な林業事業体が約7割を占めるなど、依然として生産基盤は脆弱であり、CLTなど新製品の開発や、建築基準法改正による中高層建築物の木造化など、好機を活かすだけの生産・供給体制が構築できていないのが現状であります。

 そこで京都府では、令和元年度に策定した「農林水産ビジョン」において林業事業体の経営規模を拡大するとともに、川下のニーズに対応できる加工・流通体制を強化し、供給力の向上を重点戦略の一つに掲げたところでございます。
具体的には、森林経営管理制度により、採算のとれる事業地を確保・集約することで、林業事業体の生産力の向上を図ってまいります。

 また、加工・流通体制の強化では、川下の需要に対応できる生産性の高い大型加工施設の整備等を支援するとともに、ICTを活用して、川上から川下を結ぶ新たなサプライチェーンを構築し、継続して安定した取引が出来る仕組みづくりを進めてまいります。

 次に、木質バイオマスについてでございます。
昨年度から稼働を開始した府内初の木質バイオマス発電所では、年間約7万トンの燃料を使用し、そのうちの約2割に当たる1万3千トンを府内産未利用材で賄う計画となっております。

 しかしながら、現場で伐採し、仕分けられた枝葉や曲がりなどの未利用材は、形状が様々であり、容積が大きく輸送コストがかかるため、伐採地からの搬出が進まず、昨年度の供給量は、計画数量の半分の約7千トンに留まっております。

 このため、トラックへの積込方法の検証や、伐採地でのチップ化、更にはストックヤードにおける未利用材の一括仕分けなど、コスト削減による供給量の拡大に向け、様々な方法を検討しているところでございます。


 さらに、府有林の伐採を進め、府内で約3千トンの未利用材を新たに供給し、当面は計画数量の約8割に当たる年間約1万トンを府内産で賄えるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

 併せて、スギやヒノキに比べて生育が早く、短期間で伐採ができる早生樹について、木材を搬出しやすい荒廃農地などに植栽し、バイオマスとしての活用を検討してまいります。

 今後とも、森林資源の有効活用を図り、林業の活性化に向け、関係者と連携しながら、取組を着実に進めてまいります。





posted by 舞 at 18:42| Comment(0) | 活動日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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