8月19日の政策環境建設常任委員会において、関西大学の宇都宮浄人教授を参考人にお招きし、「京都府の公共交通の現状と課題」についてご講義いただきました。公共交通は地域の暮らしを支える基盤であり、人口減少や自家用車依存の進行など、時代の変化に応じた新たな視点からの検討が求められています。
またこの日は、京都府立大学の学生さんが、大学と京都府議会との包括連携事業の一環として委員会を傍聴されました。傍聴後には議員との意見交換の場も設けられ、若い世代の率直な声を伺うことができました。学生の皆さんが地域社会の課題に関心を持ち、意見を交わしてくださることは、私たち議員にとっても大変貴重であり、今後の政策検討に新たな視点を与えてくれるものと感じています。
◻︎自家用車依存の実態
京都府は南北に長い地形を持ち、地域ごとに交通事情が大きく異なります。令和3年のデータによると、
•南部地域:自動車分担率 30.6%、公共交通(鉄道・バス)23.8%
•北部地域(舞鶴市を含む):自動車分担率 72.6%、公共交通 3.6%
特に北部では7割以上が自動車に依存しており、「車がないと生活が成り立たない」現状が如実に表れています。
◻︎公共交通を巡る課題
•利便性の低下
•運転士など人手不足
•採算面での厳しさ
これらは地元からも多く寄せられる声であり、私自身も2月定例会で代表質問として取り上げました。公共交通は医療や福祉と同様に「生活に欠かせない公共サービス」であり、未来への投資としての視点が必要です。
◻︎学びと先進事例
宇都宮教授からは、欧州や国内の先進事例をご紹介いただきました。特に栃木県小山市の「noroca導入」は注目に値します。
•年間定期券(全線)を 8,400円 → 2,400円 に大幅値下げ(サブスク方式)
•2019年導入以降、2025年4月には販売枚数が8倍に!
傍聴していた学生さんからも「このサブスクの発想が心に刺さった」との感想をいただきました。若い世代の視点からも、新しい仕組みづくりを考える必要があると感じます。
◻︎公共交通は“社会全体で支える”ものという発想へ
各市町村では、公共交通の運行を維持するために補助金を拠出しています。これは自治体予算のごく一部ですが、地域の暮らしを支える重要な投資です。地方では公共交通は運賃収入だけでは維持できず、「社会全体で支える仕組み」が不可欠です。高齢者や子育て世代の移動の安心、そして環境政策とも結びつく大切な公共サービスとして、今後ますます重要性を増していきます。
こうした背景のもと、これからの時代には、あれもこれもではなく「あれかこれか」を選び取る姿勢が求められます。限られた財源をどこに優先的に振り分けるのかを判断するためには、将来のあるべき姿を描き、そこから逆算して今を見定める“バックキャスティング”の考え方が重要です。ヨーロッパのように公共交通に多くの予算を投じる事例も参考にしながら、日本としてどの分野に重点を置くべきか、より踏み込んだ議論が必要だと感じます。
その上で私は、地域の暮らしを守り、誰もが安心して移動できる社会を実現するために、公共交通を優先的に力を注ぐべき分野と考えています。単なる赤字補填ではなく、地域の基盤を支え、将来への投資として捉えるべき大切な分野です。
🌱 これからの展望
•高齢者や子育て世代が安心して移動できる環境
•環境政策と一体化した持続可能な交通モデル
•まちづくり・福祉・環境をつなぐ交通施策
公共交通のあり方は、単なる移動手段にとどまらず、まちづくり・福祉・環境と深く結びつく重要なテーマです。これからも先進事例に学びつつ、現場の声や若い世代の感覚も取り入れながら、持続可能な交通モデルの構築に力を尽くしてまいります。


